特集(コロナ差別)

新型コロナウイルス感染症に関連して -不当な差別や偏見をなくしましょう-

コロナ差別、許さない。

新型コロナウイルス感染症に関連して,感染者・濃厚接触者,医療従事者等に対する誤解や偏見に基づく差別を行うことは許されません。公的機関の提供する正確な情報を入手し,冷静な行動に努めましょう。

 

以下に、新型コロナウイルス感染症に関連した様々な人権問題の事例を順次掲載しています。
人間は、見えないもの、解らないものに恐怖を感じ過剰防衛してしまいます。自分では気づかない間に他人を傷つけていることが有るかもしれません。自分の行動を振り返ってみましょう。

東京差別
東京の写真新型コロナウイルスの感染が、1日に200人を超えるなど、緊急事態宣言が終わった後に再び感染拡大する中で「東京差別」と言う言葉がテレビやネット・SNSなどで広まっています。
事例としては、
・東京在住の人が田舎の親から帰省するなと言われた。
・6月には、岩手県内で、県外からの転入生に登校自粛を要請していたことが、SNSで波紋を広げた。
・7月に入ってからは、「都内のナンバーをつけているからか、車が傷つけられた」等・・・

人は、目に見えない恐怖に遭遇すると不安になり、見えている「何か」「誰か」を攻撃し、排除することで、恐怖から逃れようとするようです。
戦うべき相手は「新型コロナウイルス」です。どうか冷静になりましょう。

日本赤十字社は、「新型コロナウイルス」には3つの感染症の顔がある、とうったえています。
第一の感染症の顔は「病気」そのもの、第二は「不安・恐れ」、第三は「嫌悪・偏見・差別」です。
それらに、煽られないように、振り回されないように一度立ち止まってみましょう。
インドネシアで警察が人権侵害
国家人権委員会が、国家警察に警告!
5月インドネシアでは、主要都市で一種の「都市封鎖」にあたる大規模社会制限(PSBB)に基づく取り締まりを実施している。マスクをせず外出していた男が警察に見つかり罰を受け、記録撮影までされる。

危機に乗じて権力をもつ者が好き勝手をし始めたとみて、「国家人権委員会(Komnas HAM=コムナスハム)」は、警察が過剰暴力や脅迫、不要な拘束や逮捕、犯罪の捏造など多くの人権侵害にあたる事案を引き起こしているとして国家警察に警告を発した。またジョコ・ウィドド政権に対しては、警察の監督強化を要求する事態となっている。
コムナスハムは政府機関でありながら独立組織として主に人権問題を主管し、特に同じ政府側の機関である国軍や警察といった治安当局に対しても国民の人権擁護、言論・報道の自由などの立場からこれまでも積極的に介入。政府の人権擁護の砦とされ、重要な役割を担ってきた。
医療従事者に対する偏見や排除
医療従事者達のイラスト4月27日、大学病院で働く医療従事者の子どもが保育園から、院内の医師が新型コロナウイルスに感染したことを理由に登園を拒まれることがあったと明らかにした。県は「差別があってはならず、医療従事者を応援してほしい」としている。政府や日本赤十字社は、医療従事者に対する誤解や偏見に基づく差別を行わないように求めているが、こうした差別は各地で起きており、タクシーの配車を拒否されたり、病院職員の同居家族が会社から休むことを指示された事例も各地で発生している。 行政の担当者は「誰でも感染することを意識してほしい」と述べ、患者や医療従事者への差別や偏見を持たないよう呼び掛けた。
コロナ自警団
自家用車のイラストなぜ日本人は「自粛しない人」をこれほど攻撃したがるのか

「外出・接触8割減」のスローガンのもと、4月7日に始まった、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐための「自粛」要請。市民社会はその要請に応じ、街は人どおりが少なく閑散とし、閉ざされた店の入口には「一時休業」の張り紙が目立ちました。あくまで「お願い」であり、本来断る自由があるはずなのに、聞き入れなかった者は、まるで社会の法秩序を逸脱した犯罪者・極悪人であるかのようにみなされ、市民社会から「私刑」される——そのような相互監視的な同調圧力によって、全国各地で緊迫感と閉塞感が高まる場面がありました。他県ナンバーの自動車を見つけると通報されたり、東京ではスポーツクラブが営業していることに腹をたて、入口を蹴って壊した男が逮捕されるケースまでありました。
「これが差別か」と思った、男性の話
福岡市に住む38歳の自営業の男性は、3月下旬:体温38.5度、コーヒーの味がしないので、内科に電話。内科は「薬を出す」「病院には来ないでくれ」との対応。保健所は「検査できない」と門前払い。
4月4日:陽性と判明。保健所は「入院できる病院がない」「とりあえず家で耐えてくれ」薬ものむな…。その後高熱で病状悪化、自分で入院できる場所を探し、11日間入院後検査で2回陰性となりやっと退院。

新型コロナウイルスが陰性となって退院したあと、肺炎の経過観察を病院にお願いしたところ「もしあなたがコロナの発生源になったらうちの病院も困るんで」などと8件断られたといいます。
大学に対する相次ぐ誹謗中傷
3月上旬、ヨーロッパ旅行に行った学生(当時)らが感染し、ゼミの卒業祝賀会で感染者集団「クラスター」が発生するなど、関連する感染者は70人以上に上りました。大学には「感染した学生の住所を教えろ」「大学名を改名しろ」や「まじで村八分にされろ」などと、過激な誹謗中傷が電話・メール・SNSで相次ぎました。
派遣社員に 「マスク支給なし」の非情
マスクのイラスト会社が入っているオフィスビルの別のフロアで、新型コロナに感染した疑いのある人が出た。テレワークが認められていない派遣社員は出社せざるをえない。「せめてマスクをもらえませんか?」と訴えると、備品を管理する社員から“本当に必要な人のためにとってあるものだから、あげられない”と断られた。工事業者や現場に出向く社員には、マスクを支給しているのに、「私たち派遣は、本当に必要な人には入らないってことですか?」と掛け合ったが、しりぞけられた。
マスク姿のアジア人女性が 二ューヨークで暴行受ける
アジア人女性のイラスト2020年2月、二ューヨークの地下鉄の駅でマスク姿のアジア人女性が「病気持ち」「俺に触るな」と罵倒され殴る蹴るの暴行を受けた。ニューヨーク市警(NYPD)は、事件の様子を捉えた動画をソーシャルメディアで共有。新型コロナウイルスに関連したヘイトクライム(憎悪犯罪)の可能性があるとして、女性に被害を届け出るよう呼びかけている。
クルーズ船乗客に対する差別や偏見
クルーズ船のイラスト2020年2月3日に横浜港に到着したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」は、日本政府が法律に則って海上において検疫を実施し、3月1日にすべての乗客、乗員の下船が完了しました。乗員・乗客数3711名、PCR検査3618名、陽性者696名、無症状者410名。4月15日までに発表された死者数は13名でした。海外メディアからは、「なぜもっと早く検査をし、下船させるための迅速な対応が取れなかったのか疑問が残る」との批判が高まりました。また、日本人乗客が陰性が確認され下船後に、ご近所から偏見の目で見られるなどの問題もありました。