12月4日(水)~10日(火)は人権週間です。
人権週間啓発活動として、11月22日(金)~12月11日(水)まで
河内長野駅・三日市町駅の両駅前で横断幕を掲示します。
また、市公用車にマグネットプレートを貼付します。
日本国憲法前文では、以下憲法の三本の柱を宣言しています。
①国民は、個人として最も尊い存在であるとする「基本的人権の尊重」
②国家は国民の幸福のためにのみ存在するという「国民主権」
③私たちが幸せになるための礎となる「平和主義」
教育基本法は、その名のとおり、日本の教育に関する根本的・基礎的な法律である。教育に関するさまざまな法令の運用や解釈の基準となる性格を持つことから「教育憲法」「教育憲章」と呼ばれることもある。
2006年(平成18年)12月22日に公布・施行された現行の教育基本法は、1947年発布・施行の教育基本法(昭和22年法律第25号)(以後旧法という)の全部を改正したものである。
前文では、「たゆまぬ努力によって築いてきた民主的で文化的な国家を更に発展させるとともに、世界の平和と人類の福祉の向上に貢献することを願う」とした上で、この理想を実現するために教育を推進するとしている。
本則は18条ある。第1章から第4章までに分けられており、それぞれ「教育の目的及び理念」「教育の実施に関する基本」「教育行政」「法令の制定」について規定されている。
労働基準法は、第二次世界大戦後の1947年(昭和22)4月に、日本国憲法第27条2項の「賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める」という規定に基づいて制定された。
これは当時のILO(国際労働機関)やその他の先進国の水準を指向したもので、第二次世界大戦前のきわめて不十分な工場法と比較するならば、日本の労働法史上画期的な意義をもつものであった。
労働基準法は「総則」の第1条1項において、まず「労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない」ことを、その基本理念としてうたっている。この基本理念は、日本国憲法第25条1項の「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」という、生存権理念に立脚したものである。
ついで、労働基準法同条2項においては、「この法律で定める労働条件の基準は最低のものであるから、労働関係の当事者は、この基準を理由として労働条件を低下させてはならないことはもとより、その向上を図るように努めなければならない」ことを定めている。
これは、労働基準法が法的に強制すべき最低の条件を定めたものであるから、労使の努力によってその向上を図っていくべきことを強調したものである。
したがって、この基準以下の就業規則や労働協約は無効になり、また基準以下の条件で労働者を使用した使用者は処罰されることになる。「総則」以下、労働基準法は、「労働契約」「賃金」「労働時間、休憩、休日及び年次有給休暇」「安全及び衛生」「女子及び年少者」「技能者の養成」「災害補償」「就業規則」「寄宿舎」というように、労働契約の締結からその終了に至るまで、労働関係のほぼ全面にわたって最低条件を規定するとともに、その監督機関と罰則が定められた。
また、本法の適用範囲もきわめて広く、同居の親族のみを使用する事業と家事使用人を除いて、すべての事業所に雇用される労働者で賃金を支払われる者が保護対象に置かれている。
なお、関連した法律としては、1958年制定の職業訓練法(現在の職業能力開発促進法)、59年制定の最低賃金法、72年制定の労働安全衛生法がある。
児童についての根本的、総合的な法律。昭和22年法律第164号。それ以前の少年教護法、児童虐待防止法、母子保護法などの児童福祉面での部分的規定であったものを総合立法化するとともに、従来の児童政策を一貫して支配してきた
要保護児童の保護のみを問題とする思想に終止符を打ち、それを越えて、次代の社会の担い手たるすべての児童の健全な育成、福祉の積極的増進を基本精神とするものである。とくに、総則の冒頭に、節に属さない3か条を置き、児童福祉の理念ならびにその保障のための原理を掲げて、児童福祉法を他の一般法律より上位に位置づけているのは注目すべきことである。
なお、2000年(平成12)に成立した「社会福祉の増進のための社会福祉事業法等の一部を改正する法律」(社会福祉事業法等改正法、平成12年法律第111号)の成立に伴い、身体障害者福祉法は一部改正され、それまでの措置制度は原則的に廃止された。措置制度にかわって契約利用制度(支援費支給制度)が導入され(2003年4月施行)、また障害者の居宅生活支援事業への営利企業参入の道を開いた。
つまり、上記のような福祉サービスは従来、国や地方公共団体によって提供されていたが、この法改正により、原則として利用者が知事の指定を受けた事業者(法人)のサービスを選択して利用する制度となったのである。
これは、憲法25条(生存権、国の社会的使命)違反といわねばならない。
児童福祉法は、1947年(昭和22)制定以来、時代の要請によって逐次改正され、それに基づいて児童福祉施設の拡充、児童福祉事業の発展などが図られてきた。とくに、1997年(平成9)の第五〇次改正は、制定後50年の経過による児童を取り巻く環境の変化に対応するとともに、締約国に条約の実効に関する報告が義務づけられている「子どもの権利条約」批准後、それに対応するための大幅な改正であった。おもな改正事項は、(1)保育所への入所の仕組み等、保育所に関する事項、(2)放課後児童健全育成事業に関する事項、(3)児童相談所に関する事項、(4)児童自立生活援助事業に関する事項、(5)児童福祉施設の名称および機能に関する事項、(6)児童家庭支援センターに関する事項、などであり、98年4月より施行された。しかし、その理念にかかわる3か条は改正されなかったため、児童の権利主体としての規定はあいまいなままである。また、基本的には「措置」から「契約」へと変更されたが、たとえ不十分であったとはいえ、生存権保障や幸福追求権をもとに公的責任で人間としての尊厳を保障するというこれまでの福祉の理念に沿っていたはずの措置制度にかわって、契約という競争原理がもち込まれた改正であるため、福祉法としての性格が維持しうるかどうかという問題を残した。そのためさらに「子どもの権利条約」との整合性を図ることが今後の課題といえる。
1949年(昭和24)12月、法律第283号として成立、50年4月施行された身体障害者の福祉を図るための法律。「身体障害者の自立と社会経済活動への参加を促進するため、身体障害者を援助し、及び必要に応じて保護し、もって身体障害者の福祉の増進を図ることを目的とする」(1条)。
本法で身体障害者とは、本法別表に掲げる身体上の障害がある18歳以上の者で、都道府県知事から身体障害者手帳の交付を受けたものをいう(4条)。
身体障害者に対する福祉を図るため、援護の実施者(身体障害者の居住地の市町村、居住地がないか不明のときは現在地の市町村)は、必要に応じて身体障害者居宅生活支援事業(いわゆるホームヘルパー派遣、デイ・サービス、ショートステイ)の利用について斡旋(あっせん)または調整を行ったり、日常生活用具の貸与の措置をとることができるほか、身体障害者の診査や更生相談を行い、必要に応じて保健医療施設や職業安定所に紹介し、あるいは身体障害者更生援護施設(2000年10月現在1766施設)のサービスを提供する。
また、更生訓練費の支給、更生医療の給付、盲人安全杖(つえ)、車椅子その他の補装具の交付、修理またはそれらの購入や修理に要する費用の支給、盲導犬の貸与などが規定されている。
精神保健と精神障害者福祉について規定した日本の法律である。公布・施行は、1950年5月1日。「精神保健福祉法」などと略される。
目的は、精神障害者の医療・保護、その社会復帰の促進・自立と社会経済活動への参加の促進のための必要な援助、その発生の予防その他国民の精神的健康の保持及び増進により、精神障害者の福祉の増進・国民の精神保健の向上を図ることにある(1条)。
当初の名称は「精神衛生法」で、1987年7月施行の精神衛生法等の一部を改正する法律(昭和62年9月26日法律第98号)により「精神保健法」に、1995年7月施行の精神保健法の一部を改正する法律(平成7年5月19日法律第94号)により「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」に改める。
生活保護法(せいかつほごほう、昭和25年5月4日法律第144号)は、生活保護について規定した法律で、社会福祉六法の1つ。
生活保護法の目的は、「日本国憲法第25条に規定する理念に基き、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長すること」(第1条)とされている。
1954年(昭和29)に公布された、日本に在留する外国人の登録について定めた法律(昭和27年4月28日法律125号)。
この法律において「外国人」とは、日本国籍を有しない者のうち、外交官、領事官など、国際法で特権が認められている者、および出入国管理及び難民認定法(入管法)の規定による仮上陸の許可などを受けた者以外をいう。
わが国の外国人の登録制度は、1939年(昭和14)の内務省6号「外国人ノ入国、滞在及退去ニ関スル件」により整備されたが、登録窓口は警察であり、防諜(ぼうちょう)目的の外国人取締り法規であった。
第二次世界大戦後、連合国最高司令官総司令部(GHQ)は警察の入管業務への関与は許されないとする国際慣行を強調し、47年5月2日に昭和天皇の最後の勅令(ポツダム勅令)として、治安維持の警察目的を含まない「外国人登録令」が公布・施行された。これを引き継ぎ、現行の外国人登録法が制定された。
2012年廃止
知的障害者の更生の援助・保護を図る法律。昭和35年法律第37号。1998年(平成10)従来の精神薄弱者福祉法から名称変更された。その実施機関は福祉事務所を設置する市町村または都道府県である。
福祉事務所は知的障害者の福祉に関し、実情の把握、相談、調査、指導を行う。そのための専門職は知的障害者福祉司で、都道府県では必置、福祉事務所を置く市町村では任意設置である。
都道府県には知的障害者更生相談所を設置する。それは相談のほか、18歳以上の知的障害者の医学的、心理的、および職能的判定と指導を行う。援護の実施機関は、18歳以上の知的障害者に対し、指導、知的障害者更生・授産施設への入所、職親(知的障害者を自己の下に預かり、その更生に必要な指導訓練を行う者)への委託などの措置をとる。なお、18歳未満の知的障害児の収容施設は、児童福祉法の定める児童福祉施設である。
日本では「障害者の雇用の促進などに関する法律」いわゆる「障害者雇用促進法」によって、企業などの事業主に障害者の雇用率の下限を定めることで就労の促進が図られている。
この障害者雇用率の下限は現在、民間企業1.8%、特殊法人2.1%、国・地方公共団体2.1%、一定の教育委員会2.0%(平成10年7月1日改正)となっている。ただし常用労働者である重度身体障害者・重度精神障害者は一人で二人分(ダブルカウント)、短時間労働者である重度身体障害者・重度精神障害者は一人を一人として計算されることになっている。
また労働省に報告義務があるのは従業員56人以上の事業所とされている。さらに「身体障害者雇用納付金制度」という制度がある。雇用率を達成しない事業主から「納付金」という名の罰金(雇用しないことを認めてもらうためのお金)を徴収し、「身体障害者雇用調整金(身体障害者のための設備設置等に必要な費用)」 「報奨金」及び各種の「助成金」にまわそうというものである。{法定雇用率を達成しない場合、この率に達しない人数分いついて一人あたり1ヶ月5万円を国に納めなければならない。ただし、常用労働者300人以下の事業主はこの納付金を徴収されない。
1963年7月、高齢者の心身の健康の保持や生活の安定など、高齢者の福祉を図ることを目的として公布された法律です。『老人福祉法』では、老人を65歳以上と規定し、『介護保険法』のサービスを受けられない人を、同法による『老人居宅生活支援事業』と『老人ホームへの入所措置』の対象としています。
老人居宅生活支援事業とは(1)老人居宅介護等事業、(2)老人デイサービス事業、(3)老人短期入所事業、(4)小規模多機能型居宅介護事業、(5)認知症対応型老人共同生活援助事業があります。
また、デイサービスセンター、短期入所施設、養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム、老人福祉センター、在宅介護支援センターの7施設を『老人福祉施設』と規定しています。
老人ホームへの入所措置では、市区町村が次の措置をとらなければなりません。(1)身体、精神、環境、経済的な理由などで、在宅での介護が困難な人を市区町村の施設に入所させること、(2)身体、精神的に障害があり、常時介護が必要にもかかわらず、在宅での介護が困難な人が介護老人福祉施設に入所できない場合に市区町村の特別養護老人ホームに入所させること、(3)介護する人がいないか、不適当な人が介護している場合に介護受託者に委託すること。
同和対策事業(どうわたいさくじぎょう)とは、被差別部落の環境改善と差別解消を目的として行われた一連の事業を指す。1969年に国会で成立した同和対策事業特別措置法により、当初は10年間の時限立法として始まったが、その後様々な法案が提出され、結局2002年に終結するまで33年間で約15兆円が費やされた。
晩年には、一部の人々のみが事業の利益を独占する同和利権や、(本来事業の対象となる資格の有無によらず)同和・部落関係を名乗る個人あるいは団体が不当な要求をするえせ同和行為が問題になるなど、本当に当初の目的を達したのかについては疑問が残る。根拠法の期限切れの後も、何らかの措置を継続している自治体が多い。
(1979年失効)
1971年(昭和46年)5月25日、「中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法」が制定されましたが、1986年(昭和61年)4月30日、「中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律」(昭和61年4月30日法律第43号)に基づき、題名が「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」と改称され、同年10月1日に施行された。
雇用対策法とも連動し、高年齢者の安定した雇用の確保、再就職の促進、特に40歳代以上の応募や採用の差別を原則禁止て、雇用機会の平等化を促す。この法律における「高年齢者等」とは、「高年齢者(55歳以上)」、55歳未満の「中高年齢者(45歳以上)」の求職者、および55歳未満の「中高年齢失業者等(45歳以上65歳未満の失業者その他就職が特に困難な失業者)」をいう。
実際には、正当な理由を示すことで、年齢制限することができる。特に事業を営む上で該当する年齢の人材が不足しているためという理由での制限が多い。また、商品の対象が決まっていることや年齢と賃金が連動していることから、その関係で制限するという理由も多くある。
犯罪被害給付制度は、「犯罪被害者等給付金の支給等に関する法律」に基づき、故意の犯罪行為(殺人や傷害など)により死亡された被害者の遺族や重傷病を負った方若しくは障害が残ることとなった被害者に対して、国が給付金を支給する制度です。
給付金には、3種類あり、遺族に対して支給される遺族給付金と被害者本人に対して支給される重傷病給付金と障害給付金があります。
それまでは各地域により自治体独自の同和対策事業が行われていたが、国策として本格的に行われた同和対策事業は、1969年(昭和44年)に制定された同和対策事業特別措置法(同対法)の施行以降によるものである。10年間の時限立法として施行されたが、10年後、3年間の延長となった。
その後、1982年(昭和57年)地域改善対策特別措置法(地対法)が施行され、「同和対策」という名称から「地域改善対策」に変わった。
1987年(昭和62年)に、地域改善対策特定事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律(地対財特法)が施行され、その後数度にわたる改正を終えた後、2002年(平成14年)に国策としての同和対策事業は終焉した。
国策としての同和対策事業は終焉したが、今もなお自治体によっては地域の実業に応じ、同和対策事業が行われている。
(1987年失効)
正式には「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律」(昭和47年法律第113号)。
本法は「勤労婦人福祉法」を前身とし、1985年(昭和60)の改正法成立とともに「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等女子労働者の福祉の増進に関する法律」と改名され(以下、85年法という)、その後1997年(平成9)の改正(以下、97年法という)の際、現在の名称になった。
85年法は、1979年に国際連合で採択された「女性差別撤廃条約」を批准(日本の批准は1985年)する条件を整備するため、雇用の分野での男女の均等な機会・待遇の確保、女性労働者の職業能力の開発・向上、再就職の援助、職業生活と家庭生活の調和を図ることなどにより女性労働者の福祉を増進させることを目的に制定された。この立法と同時に、男女が平等に働く条件を確立するためという理由で、労働基準法上の女性労働者に関する時間外労働や休日労働、深夜労働についての制限が縮小される一方、産後の休業期間の延長など保護の強化が行われた。
その後、97年法は、立法目的として、雇用の分野での男女の均等な機会・待遇の確保と並んで、女性労働者の妊娠中と出産後の健康確保を目的として掲げ、労働基準法上の前記の女子保護規定が全面的に廃止される一方、母性健康管理について保護が強化された。97年法では、雇用上の募集・採用、配置・昇進・教育訓練、福利厚生(ただし厚生労働省令で定める福利厚生措置に限る)、定年・退職・解雇について、女性労働者を男性と差別的に取り扱うことを禁止した。85年法では、募集・採用、配置・昇進について、単に事業主に機会均等への「努力義務」を課していた
にすぎなかったが、これを97年法は「禁止規定」にした。この禁止に反する労働契約や就業規則、労働協約などは無効となる。また、これらに違反した企業名を公表する制裁措置も設けられた。他方、事業主が男女の平等化を図るための積極的措置(いわゆるポジティブ・アクション)を行う場合、国が援助を行うことができることになった。さらに、職場における性的な言動に起因する問題(いわゆるセクシュアル・ハラスメント)に関して、事業主に雇用管理上の配慮が義務づけられた。そして、法定の事項に関して事業主が講ずるべき具体的内容については、厚生労働大臣が指針を定めるものとされた。
「地域改善対策特定事業に係わる国の財政上の特別措置に関する法律」(1987(昭和62年)~1992年(平成4)の時限立法)の略称。「地域改善対策特別措置法」期限切れ後の同和対策に関してさらなる延長完備を求める要望のなかで成立した法律。「地対法」の残事業について財政上の特別措置を法律の期限内においてのみ実施することを定めています。この法律は同和対策のための最終の特別措置であると、ことわっている点、法律の対象範囲を厳しく制限していること、あるいは「ねたみ差別」などの心理的差別に対しては地区住民の自立を要求したり、差別の原因を行政のあり方や、解放運動団体に求めていることなど、同対審答申に示された精神と部落差別の現状に照らして後退的である、と指摘されています。 (1997年失効)
正称,育児休業,介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律。1995 年(平成 7),育児休業法を改正し,成立。労働者から育児・介護休業の申請があった場合の事業主の義務,育児・介護休業の条件等について定める。第一次施行では努力義務とされたが,99 年 4 月からはすべての事業所に義務づけられた。
1970年に制定された心身障害者対策基本法が改正されたもので、93年12月公布。
特徴は、(1)法の名称が心身障害者から障害者にかわったこと、(2)従来からの対象だった身体障害者(内部障害者を含む)と知的障害者に精神障害者が加えられたこと、(3)法の基本理念と目的が、「障害者があらゆる分野の活動に参加する機会を与えられる」ものとし、「障害者の自立と社会経済活動への参加の促進」と位置づけられたこと、(4)国に「障害者基本計画」の策定を義務づけ、毎年その進行や成果を国会に報告することとしたこと、(5)12月9日を「障害者の日」としたこと、などである。
国をはじめ社会全体が高齢社会対策を総合的に推進するために制定された法律。1995年(平成7)議員立法により制定・施行された。本法の目的は、急速な高齢社会の進行に対応する、雇用、年金、医療、福祉等に係る社会のシステムを再構築することにある。
本法は、高齢社会対策を総合的に推進することを国の責務としており、その具体的な対策を高齢社会対策大綱としてまとめることを政府に義務づけている。これに基づき、政府は1996年、大綱の策定等のために、内閣総理大臣を長とし関係閣僚を委員とする高齢社会対策会議を発足させた。会長は当時の首相橋本龍太郎(りゅうたろう)、1回目の会合で、指針となる大綱案をまとめること、当時の総務庁長官を囲む有識者懇談会を設置することなどが決められた。そして、同年6月大綱案がまとめられ、7月の閣議で決定された。大綱の目玉は「65歳までの継続雇用の推進」で、ほかには、企業年金の安定的な運営、高齢期に備える資産形成の促進などの自助努力をうたい、高齢者の土地や家屋資産を担保にして融資するリバース・モーゲージ制度の検討を提言している。健康・福祉面では介護保険制度の創設をあげている。
「らい予防法」は、明治40年の法律第11号にその源を発し、感染症対策としての患者の隔離を主体とした法律であり、患者隔離によりハンセン病の予防を図ってきました。
しかし「らい予防法」は、『感染しても発病することは極めて稀な病気であること』、『仮に発病しても治療方法の確立している現在では適切な治療を行うことにより完治する病気である』という医学的知見にそぐわなくなったにもかかわらず、見直されず存在し続けました。これらの結果、長い間ハンセン病患者及びその家族の方々の尊厳を傷つけ、多くの苦しみを与えることになりました。
このようなことから、平成8年4月1日に「らい予防法」が廃止され、同時に国立療養所の入所者に対する医療及び福祉の処遇の維持継続を図ることを目的とした「らい予防法の廃止に関する法律」が施行されました。
さらに、平成13年6月に「ハンセン病療養所入所者等に対する補償金の支給等に関する法律」が施行され、補償金の支給や名誉回復を図ることとなりました。
(2008年廃止)
5年の時限立法で改正・延長された「地域改善対策特定事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律」(地対財特法)が1997年(平成9)3月に期限切れになるのと入れ替わりに、1996年12月に制定された法律。この法律に基づき、97年5月、政府は人権擁護推進審議会を発足させ、同審議会は、99年7月、答申「人権尊重の理念に関する国民相互の理解を深めるための教育及び啓発に関する施策の総合的な推進に関する基本的事項について」を政府に提出した。答申は、部落問題など差別をはじめ、国民間に人間の尊厳を侵害する意識があり、国は人権教育・啓発を推進する責務があると強調している。これに対しては、人権侵害を差別(とくに国民の差別意識)に矮小(わいしょう)化している、しかも国民間の努力で大きく解消・克服されてきている部落問題にことさら教育・啓発は必要かなど、批判や疑問が出されている。また、一方では差別に対する法的規制を強く要求する動きがある。
(2002年失効)
アイヌ文化振興法(アイヌぶんかしんこうほう)もしくは、アイヌ新法という略称もあり、アイヌの人々の誇りの源泉であるアイヌの伝統及びアイヌ文化が置かれている状況にかんがみ、アイヌ文化の振興並びにアイヌの伝統等に関する国民に対する知識の普及及び啓発を図るための施策を推進することにより、アイヌの人々の民族としての誇りが尊重される社会の実現を図り、あわせて我が国の多様な文化の発展に寄与することを目的とする(1条)。
(2019年廃止)
「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」
(2019年施行)
この法律は、従来の「伝染病予防法」、「性病予防法」、「エイズ予防法」の3つを統合し1998年に制定、1999年4月1日に施行。その後の2007年4月1日、「結核予防法」を統合し、また人権意識の高まりから「人権尊重」や「最小限度の措置の原則」の明記などの改正を施行。感染症予防法、感染症法、感染症新法とも言われる。
男女平等を推し進めるべく、2000年(平成12年)に施行された法律。 男女が互いに人権を尊重しつつ、能力を十分に発揮できる男女共同参画社会の実現のために作られた。
3章26条によって構成されており、家庭生活だけでなく、議会への参画や、その他の活動においての基本的平等を理念とする。 また、それに準じた責務を政府や地方自治体に求めるものである。
児童虐待を防止するための法律で、通称「児童虐待防止法」といわれる。
2004年(平成14年)4月、事前に盛り込まれていた施行3年後の見直し規定により、社会保障審議会等における検討がなされ、法改正が行われた。
ストーカーを規制する法律。規制対象となる行為を、公権力介入の限定の観点から、恋愛感情に関するものに限定する。親告罪で、罰則は6か月以下の懲役、または50万円以下の罰金である。警察は警告書による警告ができ、この警告に従わない場合、都道府県公安委員会が禁止命令を出すことができる。命令に従わない場合には1年以下の懲役または100万円の以下の罰金となる。また、告訴する以外に、被害者の申し出により警察が弁護士の紹介や防犯アラームの貸し出しなど、国家公安委員会規則に基づく援助を定める。女性だけでなく、男性も保護対象である。
この法律は、人権の尊重の緊要性に関する認識の高まり、社会的身分、門地、人種、信条又は性別による不当な差別の発生等の人権侵害の現状その他人権の擁護に関する内外の情勢にかんがみ、人権教育及び人権啓発に関する施策の推進について、国、地方公共団体及び国民の責務を明らかにするとともに、必要な措置を定め、もって人権の擁護に資することを目的とする。
<制定文>
ハンセン病の患者は、これまで、偏見と差別の中で多大の苦痛と苦難を強いられてきた。我が国においては、昭和二十八年制定の「らい予防法」においても引き続きハンセン病の患者に対する隔離政策がとられ、加えて、昭和三十年代に至ってハンセン病に対するそれまでの認識の誤りが明白となったにもかかわらず、なお、依然としてハンセン病に対する誤った認識が改められることなく、隔離政策の変更も行われることなく、ハンセン病の患者であった者等にいたずらに耐え難い苦痛と苦難を継続せしめるままに経過し、ようやく「らい予防法の廃止に関する法律」が施行されたのは平成八年であった。
我らは、これらの悲惨な事実を悔悟と反省の念を込めて深刻に受け止め、深くおわびするとともに、ハンセン病の患者であった者等に対するいわれのない偏見を根絶する決意を新たにするものである。
ここに、ハンセン病の患者であった者等のいやし難い心身の傷跡の回復と今後の生活の平穏に資することを希求して、ハンセン病療養所入所者等がこれまでに被った精神的苦痛を慰謝するとともに、ハンセン病の患者であった者等の名誉の回復及び福祉の増進を図り、あわせて、死没者に対する追悼の意を表するため、この法律を制定する。
高齢者の居住の安定確保に関する法律は、高齢者の住居の安定的な確保を目的とした法律で2001年に制定されました。
略称として高齢者居住法とも言います。高齢者向け優良住宅の登録・情報提供制度の整備を行高齢者向け優良賃貸住宅への補助、高齢者居住支援センターの設置等を行います。
目的は、配偶者からの暴力に係る通報、相談、保護、自立支援等の体制を整備し、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護を図ることにある。施行は2001年10月13日で、一部の規定については2002年4月1日、2004年12月2日には、保護命令の対象範囲の拡大等を中心とした改正法を施行する。DV防止法ともいう。
配偶者暴力相談支援センターを中心としたDVの被害者の保護や自立支援態勢の確立、裁判所における保護命令手続がある。
人権擁護委員は、国民の基本的人権が侵犯されることのないように監視し、もし、これが侵犯された場合には、その救済のため、すみやかに適切な処置を採るとともに、常に自由人権思想の普及高揚に努めることをその使命とする公職である(人権擁護委員法2条)。委員は、各市町村長(東京都の特別区においては区長)が推薦した者の中から、当該市町村を包括する都道府県の単位弁護士会および人権擁護委員連合会の意見を聴いて、法務大臣が委嘱する(法6条)。任期は3年で、職務を行うために要する費用の弁償はなされるものの、給与は支給されないボランティアである(法9条、8条)。委員は、職務に関して、法務大臣の指揮監督を受ける(法14条)。市町村長は、法務大臣に対し、当該市町村の議会の議員の選挙権を有する住民で、人格識見高く、広く社会の実情に通じ、人権擁護について理解のある社会事業家、教育者、報道新聞の業務に携わる者等及び弁護士会その他婦人、労働者、青年等の団体であって直接間接に人権の擁護を目的とし、又はこれを支持する団体の構成員の中から、その市町村の議会の意見を聞いて、人権擁護委員の候補者を推薦しなければならない(法6条3項)。「選挙権を有する住民」と定められていることから、日本国籍を持つ成年者であることが要件となっている。
ホームレスに関する問題について国と地方自治体の責務を定めた法律。限時法であり、2002年(平成14年)8月7日の施行後10年で効力を失う。議員立法。
国と地方自治体の責務として自立の意思のあるホームレスの自立の支援、ホームレスとなるおそれのある者が多数存在する地域への支援、その他ホームレスに関する問題の解決に取り組むこととしている。
ホームレスを「都市公園、河川、道路、駅舎その他の施設を故なく起居の場所とし、日常生活を営んでいる者」と定義し、ホームレスの自立の支援等について就業の機会を確保することを重視している。
ホームレス本人に対しては自立のための努力、国民に対しても理解と協力を求める規定があるなど、基本法としての性格が強い。もっとも、本法は、都市公園等の施設管理者に対し、施設がホームレスにより適正利用が妨げられている場合に、適正利用確保のための必要な措置をとることを可能としている(11条)。
身体障害者を補助する盲導犬、聴導犬、介助犬の育成と、これを使用する身体障害者が施設等を円滑に利用するための法律(平成14年法律49号)。
この法律の成立以前は、盲導犬が道路交通法の改正により認められているだけで、聴覚障害者を助ける聴導犬や肢体(したい)不自由者を助ける介助犬は法律上、ペットと同様の扱いしか受けられなかった。また、道路交通法では盲導犬の公共交通機関への同伴を認めているだけで、盲導犬を含む補助犬を同伴した人が公共の場や飲食店、ホテル、旅館などを訪れた際に、入場を断られてしまうことも多かった。身体障害者補助犬法は、こういった状況を改善し、補助犬を連れた人が積極的に社会参加できるようにするために制定された。
この法律の施行により、国や自治体が管理する公共施設や公共交通機関は2002年10月1日から、デパートや飲食店などの不特定かつ多数の者が利用する施設は2003年10月1日から、身体障害者が補助犬を同伴し利用することを拒むことができなくなった。一方、施設を利用する側には、同伴する犬が厚生労働大臣が指定した公益法人または社会福祉法人により認定を受けた身体障害者補助犬である旨を表示する義務が科せられたほか、補助犬の行動や健康を管理することなどが求められている。この法律では、当事者以外の国民にも身体障害者補助犬を連れた人に対する協力を求めており、障害者の自立や社会参加を促すことが期待されている。
インターネットでプライバシーや著作権の侵害があったときに、プロバイダが負う損害賠償責任の範囲や、情報発信者の情報の開示を請求する権利を定めた法律。2001年11月22日衆議院本会議で可決・成立した。
この法律では、権利侵害の被害が発生した場合であっても、その事実を知らなければ、プロバイダは被害者に対して賠償責任を負わなくてもよいとしている。
権利侵害情報が掲載されていて、被害者側からは情報の発信者が分からない場合、プロバイダに削除依頼をすることができる。それを受けたプロバイダはそれを情報発信者に照会し、7日間経過しても発信者から同意が得られなかった場合は、該当する情報の公開を止めたり削除するなどの措置をとることができる。この措置によって発信者に損害が生じても賠償責任は負わない。
また、被害者は損害賠償請求権の行使に情報発信者の氏名や住所などが必要である場合など、正当な理由がある場合には、情報開示をプロバイダに対して求めることができる。
日本では、1988年(昭和63年)、公的機関を対象とした「行政機関の保有する電子計算機処理に係る個人情報の保護に関する法律」が公布され、1989年、民間部門に対して通産省(現:経済産業省)により「民間部門における電子計算機処理に係る個人情報の保護に関するガイドライン」が策定された。しかし「行政機関の保有する電子計算機処理に係る個人情報の保護に関する法律」には罰則規定が無く、また民間部門を対象としたガイドラインには法的拘束力が無いなど、個人情報の保護という観点から十分に機能しているとは言いがたい状況であった。
2002年に個人情報保護法関連五法が国会に提出された。個人情報保護法は、個人情報を取得する際には個人情報の利用方法を本人に明確に伝えなければならないと定めるために、報道の自由を侵害するなどの理由から反対運動が展開され、一度廃案となったが、再度審議され2003年5月に成立した。
出会い系サイトを利用した児童買春などの犯罪から児童を守ることを目的として、2003年9月に施行された法律。児童(18歳未満の少年少女)の出会い系サイトの利用や、出会い系サイトの掲示板などに書き込みをして、性交の相手や金銭目的とした交際を求める不正誘引を禁じている。
インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律では、出会い系サイトを利用して児童と性交渉をしようとする大人はもちろん、出会い系サイトに児童を誘導した出会い系サイト運営者・関係者に加えて、従来の児童買春防止法では単なる被害者でしかなかった児童も処罰の対象になっているのが特徴である。児童が出会い系サイトに誘い文句を書き込む行為も処罰の対象になる。インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律に違反した場合、100万円以下の罰金もしくは6ヶ月以下の禁固刑に処せられる場合もある。
インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律は多発するインターネットを利用した青少年の性犯罪及び青少年への性犯罪に対して、児童と性交渉に及ぼうとする大人だけでなく、児童との性交渉を助長する業者や性交渉に及ぼうとする児童にまで罰則を広く適用している。これにより、親の子供への教育・監督意識を促し、出会い系サイト事業者が児童のサービス利用を禁止することを徹底させ、児童買春防止法よりもさらに強力な対抗策として作用することが期待される。
性同一性障害者のうち特定の要件を満たす者につき、家庭裁判所の審判により、法令上の性別の取扱いと、戸籍上の性別記載を変更できる。「性同一性障害特例法」や「性同一性障害者特例法」、「特例法」ともいう。
初の適用事例は、2004年7月28日に那覇家裁がした沖縄県在住の20代の戸籍上男性を女性に変更する審判で、女性から男性への初の認容事例は、同年8月27日に東京家裁がした東京都在住の30代の戸籍上女性を男性に変更する審判とみられる。
犯罪被害者等(遺族を含む)のための施策の基本理念を明らかにしてその方向性を示し、国、地方公共団体、その他の関係機関、民間の団体等の連携の下、犯罪被害者等のための施策を総合的かつ計画的に推進するための法律(平成16年法律第161号)。2004年(平成16)12月1日に議員立法によって成立し、2005年4月1日に施行された。
日本で初めて被害者の権利利益を明らかにした法律である。とくに、その前文では、これまでの被害者に対する人権侵害、不十分な支援など、被害者の苦境について言及し、被害者の保護が図られた社会の実現を目ざすことを明記している。
概要としては、第1条で目的(犯罪被害者の権利利益の保護)を示し、犯罪被害者等のための施策に関する基本理念、および国、地方公共団体、国民の責務と施策の基本事項を規定し、第2条では、対象として犯罪等(犯罪およびこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす行為)の被害者等を定義して、被害者本人、その家族・遺族を示している。
また、第3条では、三つの基本理念を提示して個別に規定している。その基本理念とは、(1)犯罪被害者等は個人の尊厳が尊重され、その尊厳にふさわしい処遇を保障される権利を有すること、(2)被害の状況および原因、犯罪被害者等がおかれている状況等の事情に応じた適切な施策を講じること、(3)再び平穏な生活を営めるまでの間、とぎれることなく支援を行うこと、である。そして、第8条では、被害者施策を総合的かつ計画的に推進するために、犯罪被害者等基本計画を策定することを規定している。さらに、11条から23条において、基本的施策を列挙し、相談・情報の提供(11条)、損害賠償の請求についての援助(12条)、給付金の支給に係る制度の充実(13条)、保健医療サービス・福祉サービスの提供(14条)、犯罪被害者等の再被害防止・安全確保(15条)、居住・雇用の安定(16条、17条)、刑事手続への参加の機会を拡充するための制度の整備(18条)、保護・捜査・公判等の過程における配慮(19条)、国民の理解の増進(20条)、調査研究の推進(21条)、民間団体に対する援助(22条)、意見の反映・透明性の確保(23条)など、かなり広範囲の被害者支援策が盛り込まれているが、これらはいわば総論に過ぎず、これらの施策に従い、具体的な対応策の法整備が求められた。
発達障害者に対する支援(自立と社会参加)を定めた法律(以下支援法)。平成16年法律第167号。超党派の「発達障害者の支援を考える議員連盟」(初代会長・橋本龍太郎)によって提案された3年の時限立法である。
日本の障害者の定義は、2004年5月に改定された障害者基本法で定められた3障害、つまり知的障害、身体障害、精神障害に限定されていた。支援法によって新たに発達障害が位置づけられた意義は大きい。しかし、福祉制度の大変革である障害者自立支援法(2006年4月施行)の対象として発達障害が明記された訳でなく、付帯決議として言及されたにすぎない。発達障害を福祉制度のなかでどのような支援の対象とするのかは、今後の改正に先送りされた状態である。
従来の障害者の枠組みでは対応が不十分であった広汎性発達障害と特別支援教育の対象となる障害とを新たに支援の対象としようとするのが、支援法の意図である。省庁の枠組みを超えて、施行通知は文部科学事務次官と厚生労働事務次官の連名でなされた。自閉症・発達障害支援センターは発達障害者支援センターとなり、支援法でいう発達障害者・発達障害児(18歳未満の発達障害者)の支援を行う機関と位置づけられた。
この法律は、身体障害、知的障害、精神障害の3障害共通の施策を策定するとともに、新たな障害者福祉を目ざしたという意味では、1993年の障害者基本法制定と、90年代から進められた社会福祉基礎構造改革の流れを受けて2000年に制定された社会福祉法に淵源をもつといえる。
社会福祉基礎構造改革での、(1)措置から契約へ、(2)個人の自立支援、(3)福祉の市場化、(4)競争原理の導入等の考えに基づいて、障害者自立支援法では障害者福祉サービスの提供を市町村に一元化して身体障害、知的障害、精神障害などの障害者種別を越えた共通するサービスを提供することで障害者の自立支援を行うとした。これによって、(1)障害者の就労支援を目ざす、(2)地域の限られた社会資源を活用できるよう規制緩和を図り障害の種別を越えて利用できるようにする、(3)サービスの利用を公平にするために手続きや基準の透明化を図る、(4)サービス利用者も費用を公平に負担する仕組みをつくる、(5)国が負うべき財政負担を明確にする、つまり、障害別に設けられていた福祉施設の体系や福祉事業の体系を見直して整理するとともに市町村における相談体制の見直しも行われることになったほか、適切な医療の確保に向けて、とくに精神保健福祉領域では精神保健福祉法に定められていた通院医療費公費負担制度をこの法に移したほか、精神科救急医療体制の確立に向けた法的整備を行うことになった。
高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する施策を促進し、もって高齢者の権利利益の擁護に資するため、高齢者虐待の防止等に関する国等の責務、高齢者虐待を受けた高齢者に対する保護のための措置、高齢者の養護者に対する支援のための措置等を定める、家庭や施設で介護を受けている高齢者を虐待から守る初めての法律。
同法は「虐待」を、65歳以上の高齢者に対する殴るけるなどの身体への暴行や、食事を与えないなどの長時間の放置、無視や暴言などで心理的外傷を与える行為、性的虐待、本人の承諾なしに年金などの財産を奪ったり、財産を家族らが勝手に処分するなどの経済的虐待と定義。虐待を発見した家族や施設職員らに市町村への通報義務を定めた。
通報を受けた市町村長はお年寄りの自宅や入所施設に立ち入り調査ができ、地元の警察署長に援助を求めることができる。また、市町村長や施設長が、虐待をした家族などの養護者と、虐待を受けたお年寄りの面会を制限できる規定も盛り込まれた。
同法は自民党内で異論が出たため、いったんは国会への提出が見送られた経緯を経て、与党と民主党がそれぞれ作成した法案を一本化し、10月26日に超党派の議員提案(議員立法)として国会に提出された。
刑事収容施設の管理運営と被収容者等(未決拘禁者、受刑者、死刑確定者など)の処遇に関する事項を定めた法律。略称は刑事収容施設法、被収容者処遇法。
現代化が遅れていた未決拘禁者の処遇等を定めていた刑事施設ニ於ケル刑事被告人ノ収容等ニ関スル法律(旧監獄法)が廃止され、本法で新たに規定が設けられた。
議員立法により北朝鮮当局による拉致を始めとする人権侵害問題の解決について政府及び地方公共団体の責務を明記した法律。
政府に対して北朝鮮人権侵害問題啓発週間の実施、年次報告の提出及び公表、国際連携の強化、 人権侵害状況が改善されない場合は抑止のために必要な措置を講ずることが求めている。
また、政府に対して北朝鮮当局の人権侵害状況の改善に資するように政策決定するとともに、 諸外国や国際機関等に対しても働きかけを行うように定めている。
自殺対策の総合的な推進、自殺の防止および自殺者の親族等への支援の充実等を図るための法律。
この法は、第1章総則、第2章基本的施策、第3章自殺総合対策会議の3章で構成され、基本理念に「自殺が個人的な問題としてのみとらえられるべきものではなく…」と明言、国、地方公共団体、事業主の責務を明記したほか、国民の責務にも積極的に言及した意味は大きい。
この法律は、高齢者、障害者等の自立した日常生活及び社会生活を確保することの重要性にかんがみ、公共交通機関の旅客施設及び車両等、道路、路外駐車場、公園施設並びに建築物の構造及び設備を改善するための措置、一定の地区における旅客施設、建築物等及びこれらの間の経路を構成する道路、駅前広場、通路その他の施設の一体的な整備を推進するための措置その他の措置を講ずることにより、高齢者、障害者等の移動上及び施設の利用上の利便性及び安全性の向上の促進を図り、もって公共の福祉の増進に資することを目的とする法律(第1条)。通称はバリアフリー新法。
探偵業について必要な規制を定め、業務運営の適正を図り、個人の権利利益の保護に資することを目的とした法律。
所管は、内閣府(国家公安委員会)である。
この法律は、住生活基本法(平成十八年法律第六十一号)の基本理念にのっとり、低額所得者、被災者、高齢者、障害者、子どもを育成する家庭その他住宅の確保に特に配慮を要する者(以下「住宅確保要配慮者」という。)に対する賃貸住宅の供給の促進に関し、基本方針の策定その他の住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する施策の基本となる事項等を定めることにより、住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進を図り、もって国民生活の安定向上と社会福祉の増進に寄与することを目的としている。
参議院において2008年(平成20年)6月11日に可決・成立し、施行は公布から1年以内とされ、3年以内の見直し規定が置かれている。インターネットにおいて青少年有害情報が多く流通している状況にかんがみ、青少年のインターネットを適切に活用する能力の習得に必要な措置を講ずるとともに、青少年有害情報フィルタリングソフトウェアの性能の向上及び利用の普及その他の青少年がインターネットを利用して青少年有害情報を閲覧する機会をできるだけ少なくするための措置等を講ずることにより、青少年が安全に安心してインターネットを利用できるようにして、青少年の権利の擁護に資することを目的としている。
実際に成立した法律は、携帯電話会社に青少年(18歳未満)のものに携帯電話インターネット接続役務を提供する際に青少年有害情報フィルタリングサービスを提供することを、保護者が利用しない旨を申し出ない限り義務づけ(17条)、プロバイダに対し、利用者が求めがあれば青少年有害情報フィルタリングソフトウェア又は青少年有害情報フィルタリングサービスを原則として提供する義務を負わせている(18条)。なお、これらの義務に刑事罰は設けられていない。
さらに、サーバー管理者に対し、青少年有害情報について青少年による閲覧ができないようにするための措置をとるよう努力義務が規定された(21条)。
同時に総務大臣及び経済産業大臣の登録を受けたフィルタリング推進機関がフィリタリングソフトの調査研究や普及啓発、技術開発の推進を行うこととされている(24条)。
ハンセン病問題の解決の促進に関する法律は、ハンセン病問題の解決の促進に関し、基本理念を定め、並びに国及び地方公共団体の責務を明らかにするとともに、ハンセン病問題の解決の促進に関し必要な事項を定める法律である。議員立法(衆議院厚生労働委員会起草)により立案された。主な内容は以下の通り。
1.国は、国立ハンセン病療養所において、入所者に対して必要な療養を行うものとし、入所者の意思に反して退所させてはならないものとすること。
2.国は、国立ハンセン病療養所における医療及び介護の体制整備に必要な措置を講ずるよう努めるものとすること。
3.国は、入所者の良好な生活環境の確保を図るため、国立ハンセン病療養所の土地、建物、設備等を地方公共団体または地域住民の利用に供することができるものとすること。
4.国は、ハンセン病患者であった方々の名誉の回復を図るため、国立のハンセン病資料館の設置、歴史的建造物の保存等、ハンセン病及びハンセン病対策の歴史に関する正しい知識の普及啓発その他必要な措置を講ずるとともに、死没者に対する追悼の意を表するため必要な措置を講ずるものとすること。
また、この法律の附則には、らい予防法の廃止に関する法律の廃止も定めている。
第一条 この法律は、子ども・若者が次代の社会を担い、その健やかな成長が我が国社会の発展の基礎をなすものであることにかんがみ、日本国憲法 及び児童の権利に関する条約の理念にのっとり、子ども・若者をめぐる環境が悪化し、社会生活を円滑に営む上での困難を有する子ども・若者の問題が深刻な状況にあることを踏まえ、子ども・若者の健やかな育成、子ども・若者が社会生活を円滑に営むことができるようにするための支援その他の取組(以下「子ども・若者育成支援」という。)について、その基本理念、国及び地方公共団体の責務並びに施策の基本となる事項を定めるとともに、子ども・若者育成支援推進本部を設置すること等により、他の関係法律による施策と相まって、総合的な子ども・若者育成支援のための施策(以下「子ども・若者育成支援施策」という。)を推進することを目的とする。
障害者に対する虐待が障害者の尊厳を害するものであり、障害者の自立及び社会参加にとって障害者に対する虐待を防止することが極めて重要であること等に鑑み、障害者に対する虐待の禁止、国等の責務、障害者虐待を受けた障害者に対する保護及び自立の支援のための措置、養護者に対する支援のための措置等を定めることにより、障害者虐待の防止、養護者に対する支援等に関する施策を促進し、もって障害者の権利利益の擁護に資することを目的とする。
この法律は、いじめが、いじめを受けた児童等の教育を受ける権利を著しく侵害し、その心身の健全な成長及び人格の形成に重大な影響を与えるのみならず、その生命又は身体に重大な危険を生じさせるおそれがあるものであることに鑑み、児童等の尊厳を保持するため、いじめの防止等(いじめの防止、いじめの早期発見及びいじめへの対処をいう。以下同じ。)のための対策に関し、基本理念を定め、国及び地方公共団体等の責務を明らかにし、並びにいじめの防止等のための対策に関する基本的な方針の策定について定めるとともに、いじめの防止等のための対策の基本となる事項を定めることにより、いじめの防止等のための対策を総合的かつ効果的に推進することを目的とする。
この法律は、子どもの現在及び将来がその生まれ育った環境によって左右されることのないよう、全ての子どもが心身ともに健やかに育成され、及びその教育の機会均等が保障され、子ども一人一人が夢や希望を持つことができるようにするため、子どもの貧困の解消に向けて、児童の権利に関する条約の精神にのっとり、子どもの貧困対策に関し、基本理念を定め、国等の責務を明らかにし、及び子どもの貧困対策の基本となる事項を定めることにより、子どもの貧困対策を総合的に推進することを目的とする。
この法律は、生活困窮者自立相談支援事業の実施、生活困窮者住居確保給付金の支給その他の生活困窮者に対する自立の支援に関する措置を講ずることにより、生活困窮者の自立の促進を図ることを目的とする。
この法律は、障害者基本法(昭和四十五年法律第八十四号)の基本的な理念にのっとり、全ての障害者が、障害者でない者と等しく、基本的人権を享有する個人としてその尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい生活を保障される権利を有することを踏まえ、障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本的な事項、行政機関等及び事業者における障害を理由とする差別を解消するための措置等を定めることにより、障害を理由とする差別の解消を推進し、もって全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に資することを目的とする。
この法律は、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消が喫緊の課題であることに鑑み、その解消に向けた取組について、基本理念を定め、及び国等の責務を明らかにするとともに、基本的施策を定め、これを推進することを目的とする。
この法律は、現在もなお部落差別が存在するとともに、情報化の進展に伴って部落差別に関する状況の変化が生じていることを踏まえ、全ての国民に基本的人権の享有を保障する日本国憲法の理念にのっとり、部落差別は許されないものであるとの認識の下にこれを解消することが重要な課題であることに鑑み、部落差別の解消に関し、基本理念を定め、並びに国及び地方公共団体の責務を明らかにするとともに、相談体制の充実等について定めることにより、部落差別の解消を推進し、もって部落差別のない社会を実現することを目的とする。
この法律は、日本列島北部周辺、とりわけ北海道の先住民族であるアイヌの人々の誇りの源泉であるアイヌの伝統及びアイヌ文化(以下「アイヌの伝統等」という。)が置かれている状況並びに近年における先住民族をめぐる国際情勢に鑑み、アイヌ施策の推進に関し、基本理念、国等の責務、政府による基本方針の策定、民族共生象徴空間構成施設の管理に関する措置、市町村(特別区を含む。以下同じ。)によるアイヌ施策推進地域計画の作成及びその内閣総理大臣による認定、当該認定を受けたアイヌ施策推進地域計画に基づく事業に対する特別の措置、アイヌ政策推進本部の設置等について定めることにより、アイヌの人々が民族としての誇りを持って生活することができ、及びその誇りが尊重される社会の実現を図り、もって全ての国民が相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に資することを目的とする。
昭和二十三年制定の旧優生保護法に基づき、あるいは旧優生保護法の存在を背景として、多くの方々が、特定の疾病や障害を有すること等を理由に、平成八年に旧優生保護法に定められていた優生手術に関する規定が削除されるまでの間において生殖を不能にする手術又は放射線の照射を受けることを強いられ、心身に多大な苦痛を受けてきた。
このことに対して、我々は、それぞれの立場において、真摯に反省し、心から深くおわびする。
今後、これらの方々の名誉と尊厳が重んぜられるとともに、このような事態を二度と繰り返すことのないよう、全ての国民が疾病や障害の有無によって分け隔てられることなく相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向けて、努力を尽くす決意を新たにするものである。
ここに、国がこの問題に誠実に対応していく立場にあることを深く自覚し、この法律を制定する。
「らい予防法」を中心とする国の隔離政策により、ハンセン病元患者は、これまで、偏見と差別の中で多大の苦痛と苦難を強いられてきた。その精神的苦痛に対する慰謝と補償の問題の解決等を図るため、平成十三年に「ハンセン病療養所入所者等に対する補償金の支給等に関する法律」が制定され、さらに、残された問題に対応し、その療養等の保障、福祉の増進及び名誉の回復等を図るため、平成二十年に「ハンセン病問題の解決の促進に関する法律」が制定された。
しかるに、ハンセン病元患者家族等も、偏見と差別の中で、ハンセン病元患者との間で望んでいた家族関係を形成することが困難になる等長年にわたり多大の苦痛と苦難を強いられてきたにもかかわらず、その問題の重大性が認識されず、国会及び政府においてこれに対する取組がなされてこなかった。
国会及び政府は、その悲惨な事実を悔悟と反省の念を込めて深刻に受け止め、深くおわびするとともに、ハンセン病元患者家族等に対するいわれのない偏見と差別を国民と共に根絶する決意を新たにするものである。
ここに、国会及び政府が責任を持ってこの問題に誠実に対応していく立場にあることを深く自覚し、ハンセン病元患者家族等の癒し難い心の傷痕の回復と今後の生活の平穏に資することを希求して、ハンセン病元患者家族がこれまでに被った精神的苦痛を慰謝するとともに、ハンセン病元患者家族等の名誉の回復及び福祉の増進を図るため、この法律を制定する。
出入国管理及び難民認定法は、本邦に入国し、又は本邦から出国する全ての人の出入国及び本邦に在留する全ての外国人の在留の公正な管理を図るとともに、難民の認定手続を整備することを目的とする。
この条例は、新型コロナウイルス感染症り患者、医療従事者をはじめとするエッセンシャルワーカーと、そのご家族や友人、職場や学校で行動を共にした方の人権を擁護するため、誹謗中傷等による人権侵害を防止するとともに、感染症患者等への支援を図り、安心して暮らすことができる地域社会の実現に寄与することを目的としています
この法律は、日本国憲法及び児童の権利に関する条約の精神にのっとり、次代の社会を担う全てのこどもが、生涯にわたる人格形成の基礎を築き、自立した個人としてひとしく健やかに成長することができ、心身の状況、置かれている環境等にかかわらず、その権利の擁護が図られ、将来にわたって幸福な生活を送ることができる社会の実現を目指して、社会全体としてこども施策に取り組むことができるよう、こども施策に関し、基本理念を定め、国の責務等を明らかにし、及びこども施策の基本となる事項を定めるとともに、こども政策推進会議を設置すること等により、こども施策を総合的に推進することを目的とする。
この法律は、性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解が必ずしも十分でない現状に鑑み、性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する施策の推進に関し、基本理念を定め、並びに国及び地方公共団体の役割等を明らかにするとともに、基本計画の策定その他の必要な事項を定めることにより、性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性を受け入れる精神を涵かん養し、もって性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に寛容な社会の実現に資することを目的とする。